ダイヤモンドの世界三大カッターズブランドとは?
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世界三大と称される、ダイヤモンドのカッターズブランドをご存知でしょうか。
ロイヤルアッシャー、ラザール・ダイヤモンド、モニッケンダムの三社がこれに該当しますが、ブランド名を挙げれば聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
この三社は至極のダイヤモンドジュエリーを製造していることに定評がありますが、原石のカット・研磨を自社で手掛けるこだわりのクラフトマン集団としても高名なのです。
この記事では、世界三大カッターズブランドの魅力、それぞれのダイヤモンドの特徴、そして実際の価格帯や買取相場についてご紹介いたします。
1.カッターズブランドとは
ダイヤモンドブランドと言うと、リングやネックレス、イヤリングやブレスレット等を手掛けるジュエラーの名前が挙がるかと思います。
海外ではハリーウィンストンやカルティエ、ヴァンクリーフ&アーペルやティファニー、国内にも、ギメル、ミキモト、カシケイやなど、素晴らしいブランドやジュエリーデザインが国内外にありますね。
しかしながら、カッターズブランドはこういったジュエラーとは異なります。
初めに、カッターズブランドとは何か、また、なぜカッターズブランドであることが高名なのかを解説いたします。
①カッターズブランドとは
ダイヤモンドは原石をカット・研磨することによってジュエリーとしての輝きを獲得します。
そのカット・研磨を行う専門技師のことをカッターと呼び、自社お抱えのカッターを持ち、ダイヤモンドの原石からカット・研磨・仕上げを行うブランドをカッターズブランド(またはカッティングブランド)と言います。
②カットにこだわる理由は?
ラウンドブリリアントカット、マーキーズカット、トリリアントカット、プリンセスカット・・・
ダイヤモンドのカットには様々なバリエーションが存在します。
実はダイヤモンドは、カットによってダイヤモンドの輝き方や見え方―つまり、表情が大きく異なります。
ダイヤモンドの輝きはダイヤモンド自体が持つ屈折率や反射性に大きく関係してくることをご存知でしょうか。
ファセット(カットした面)を58面以上持つブリリアントカットは多くの光を反射させ、また内部の光が外に出る時に、より輝きを分散させます。
一方ステップカット(エメラルドカット等)はファセットが広いため、石の奥まで光が届き、素晴らしい透明感とまばゆい輝きを持つこととなります。
また、熟練したカッターが手掛けたダイヤモンドは、外から入る光を全て反射し、まぶしいほどに輝きを放つと言われています。
このように、同じ原石であってもカットのやりかたによって個性を大きく変えてしまうのです。
過去、多くの職人たちがカット技術を試行錯誤し、今ある様々なカット手法を確立しました。
まさにダイヤモンドジュエリーの歴史とともにあったと言っても過言ではありません。
なお、ダイヤモンドの輝きにも種類があります。
・ブライトネス
ブリリアンシーとも呼ばれます。
ダイヤモンドを真正面から見て、内外から反射される白い輝きを指します。
・ディスパージョン
ファイアーとも呼ばれ、入射した光が屈折し、再び外側に出る時虹色のように光が分散される輝きです。
・シンチレーション
直訳するときらめきで、光のフラッシュ効果を言います。光や石が動いた瞬間、キラッとまたたくような効果です。
③どうしてこの三社だけが世界三大カッターズブランドと称されるの?
もちろんカッターズブランド自体は各地に存在します。
通常カッターズブランドとジュエラーは別会社で、カッターズブランドがカット・研磨・仕上げなどを施したダイヤモンドをジュエラーが購入して自社デザインのジュエリーにしていくことがほとんどです。
しかしながら、ロイヤルアッシャー、ラザール・ダイヤモンド、モニッケンダムの三社は自社で原石から買い付け、カットからジュエリー製造に至るまでを自社のこだわりのもとに手掛けているのです。
また、熟練したカッターを抱えていることはもちろん、非常に高いカット技術やカット手法を持つことでも高い評価がされています。
加えて、カット技術を開発する、カットの品質規格を確立するなど、現在のダイヤモンドカット技術の礎を築いたという歴史的に重要なブランドたちでもあります。
こういった他社にはない技術力や開発力、そして伝統ゆえ、「世界三大」と称され、他社とは一線を画した風格を持つこととなりました。
では、それぞれのブランドはどこで生まれ、どのような特色があるのでしょうか。
それぞれを解説いたします。
2.ロイヤルアッシャーとは
ABOUT
設立年:1854年
本社所在地:オランダ・アムステルダム
創業者:ジョセフ・アイザック・アッシャー
現社長:エドワード・アッシャー(2018年10月現在)
各国ブティック:オランダ、イギリス、アメリカ、中国、日本(銀座・福岡天神店)など
世界で唯一「ロイヤル」の称号を授けられたダイヤモンドジュエラーがロイヤルアッシャーです。
1854年創業と由緒正しい老舗であることはもとより、トリリアントカット、アッシャーカット(スクエアエメラルドカット)など、現在ジュエリー業界でポピュラーなカッティング技術を開発したという大きな功績を持ちます。
ロイヤルアッシャーの素晴らしいところは、今なお技術開発に余念がないこと。
初代アッシャーカットの特許取得から約100年が経過した2000年、ロイヤル・アッシャー・カットを発表しました。
58面のファセットにさらに16面が加えられ、類まれな輝きを引き出したと言うこのカット技法は、大きな話題を呼んだものです。
ロイヤルアッシャーのダイヤモンドのコンセプトは「トータルビューティー」。
白く上品、そして明るい輝きを大切にしていると言います。
ダイヤモンドの美しさの中でも、ブライトネスに重きを置いていますが、これはヨーロッパで伝統的に好まれてきました。
原石のクオリティにも妥協はせず、世界で採掘されるダイヤモンド原石の上位5%にのみ残る良質なものだけを選定しているとのこと。
代表的なラインはクラウンモチーフコレクション。
ブランドのアイコンであるクラウン(王冠)をイメージしたダイヤモンドセッティングで、主にブライダルリングでラインナップされています。
また、大振りのペンダントやイヤリングが往年のヨーロッパ建築を思わせるヨーロピアン・アーキテクチャー・コレクション、自然をダイヤモンドで表現したブローチなど、正統派の美しさを持つコレクションを誇っています。
3.ラザール・ダイヤモンドとは
ABOUT
設立年:1903年
本社所在地:アメリカ・ニューヨーク
創業者:ラザール・キャプラン
現CEO:レオン・テンペルスマン(2018年10月現在)
各国ブティック:アメリカ、カナダ、中国、シンガポール、日本など
ニューヨーク生まれとあってか、由緒正しい老舗ダイヤモンドブランドであることと、モダンでスタイリッシュなデザイナーであることを両立しているラザール・ダイヤモンド。
ブライダルリングでも他社はクラシカルなものが多い中、遊び心を活かした画期的なデザインで話題を呼んでいます。
もちろん世界三大ダイヤモンドカッターズブランドの一員として、最高品質のダイヤモンドにこだわっていることは言うまでもありません。
創業者はカッティングの魔術師と称されたラザール・キャプラン。
彼は当時のダイヤモンドの品質評価である3C―カラー、カラット、クラリティ―に、カットが不可欠だと提唱し、現在広く用いられる4Cを確立したことでも有名です。
ラザール・キャプランは「ダイヤモンドが最も輝くように」と常々語っていたそう。
そんな彼の言葉は連綿と受け継がれ、企業理念として息づきます。
そのため、ラザールのダイヤモンドの特徴は、なんといっても輝き。虹色がきらめく、ファイアーに分類される輝きです。
これは、数学的理論に基づいたアイディアルメイクブリリアントカットを採用しているため。
ロイヤルアッシャーの白い輝きとはまた異なる美しさで、暗いところでもわずかな光を捉えて輝きを放つという特性があります。
ラインナップが非常に豊富で、ブライダルリングではフラグシップのウィズを始め、ニューヨークニューヨーク、ソーホーなどニューヨーカーらしいモダンなデザインを展開します。
また、ペンダントやネックレス、イヤリングなどジュエリーラインも数多くのコレクションを用意し、幅広い年齢層から厚い支持を集めています。
4.モニッケンダムとは
ABOUT
設立年:1890年
本社所在地:イギリス・ロンドン
創業者:ルイ・モニッケンダム
現社長:ギャリー・モニッケンダム(2018年10月現在)
各国ブティック:一部代理販売店あり
ジュエリー製造も手掛けていますが、他社ジュエラーに自社ダイヤモンドを提供するという、カッターズブランドとしての側面もまた強いモニッケンダム。
オランダ・アムステルダムで設立されましたが、第一次世界大戦の影響でイギリスへ移住。以来、イギリス屈指の名門ダイヤモンドブランドとして名を馳せてきました。
モニッケンダムを語るうえで欠かせないのは、巧みなカット技術。
1965年、モニッケンダム叩き上げのカッターであったキース・ボーエンが、0.00164カラット(1カラットは約2g、約6.5mm)のダイヤモンドに58面体のフルカットを施すという驚くべき偉業が成し遂げられました。
もちろんキースの卓越した技能によるところが大きいですが、モニッケンダムのカットへの並々ならぬ情熱がこうした熟練カッターを育てていることは言うまでもありません。
ブランド全体に浸透しており、メレダイヤ一つとっても妥協のないカットがあしらわれているのです。
モニッケンダムのダイヤモンドの特徴はヨーロッパで伝統的に好まれる白く上品な輝き。
カットの妙と、土台の地金にもダイヤモンドをセッティングするなどの心遣いで、実際のカラット数よりダイヤモンドが大きく見えることで有名です。
ちなみにダイヤモンドの4C品質規格の基となった、ダイヤモンドのグレードを考案したのはモニッケンダムです。
5.三社に価値の違いはあるの?
三社三様に最高峰のダイヤモンド製造にこだわっていることを、おわかりいただけたでしょうか。
では、ロイヤルアッシャー、ラザール・ダイヤモンド、モニッケンダムのそれぞれの価値はどれくらいなのでしょう。
各メーカーホームページを参考に、小売り価格を調べてみました。
①ロイヤルアッシャー
ブライダルリングはシンプルなもので各10万円台から(セットで20万円台から)、カラット数が多かったりデザインに特徴のあるものは、50万円台からラインナップされています。
通常ジュエリーだとネックレスやイヤリング、ピアスなどは10万円から、リングは20万円台から。ハイエンドラインとなると200万円を超えるものも少なくない数ラインナップされています。
0.2カラットの相場は20万円台前半から半ば、0.3カラットの相場は40万円台半ばから50万円ほどとなります。
②ラザール・ダイヤモンド
ラザール・ダイヤモンドはラインナップされるコレクションが多数あるため、その分価格帯も広いです。
ただ、メインダイヤモンドが大きいため、一部のエントリーモデルをのぞいて全体的に高価格帯となります。
ブライダルリングはだいたい10万円前後から(セットで20万円前後から)。20万円台が最も多く、ハイエンドとなると50万円以上に。
通常ジュエリーだとリングは20万円台から、こぶりなネックレスやイヤリング、ピアス、ブレスレットであれば10万円前後で購入できる商品もラインナップされています。
一方でラザールらしい華やかなダイヤモンドジュエリーだと、50万円~80万円台の価格帯が目立ちます。
カラットでの相場は、0.2カラットが20万円台前半から、0.3カラットで40万円ほどです。
③モニッケンダム
モニッケンダムはシンプルなマリッジリングで10万円台から(セットで20万円台から)、通常のジュエリーラインであれば20万円台から40万円台のものも多く、手堅い印象があります。
カラット相場は幅が広いので大体となりますが、0.2カラットで20万円弱から半ば、0.3カラットで20万円~30万円ほどです。
しかしながらこれはクラシカルなラインで、「デザイナージュエリー」と銘打ったシリーズなど、同程度のカラット数でもデザインによって10万円以上価格が上がるシリーズもラインナップされています。
④売却の際、買取査定価格はそれぞれどうなるの?
では、売る段になって買取査定価格がどうなるか、三社で違いはあるのかと言うと、一概には言えません。
同じカラット数のダイヤモンドジュエリーでも、ブランド品とノーブランドとでは買取額は異なります。
ロイヤルアッシャー、ラザール・ダイヤモンド、モニッケンダムであればブランド力はもちろん、ダイヤモンドや土台の地金に使われる金・プラチナの質もトップクラスですので、当然買取相場は高めになります。
しかしながら、三社間に明確な差があるわけではありません。
と言うのも、買取相場が高めと言っても、ブランドジュエリーの定価にはルース(裸石)や金・プラチナの価値だけでなく、製作費、流通費、人件費などが含まれており、モデルごとの内訳はもちろんブランドのさじ加減。
そのため定価が高いからと言って、必ずしも質が上、とか人気が高い、というわけではないのです。
良い例がマリッジリングです。
この三社はブライダルリングで初めて購入された方もいらっしゃるでしょうが、それだけ人気が高いということになります。
しかしながら、実際の買取ではブライダル関連商品はダイヤモンドと地金の価値だけになりがち。
離婚など様々な事情で買取に出す方が非常に多いにもかかわらず、離婚後に売られたリングを欲しいという需要は無いに等しいからです。
こういうわけで、三社それぞれの買取相場、買取査定価格は品物を見てみなくてはわからないのです。
でも、安心してください。
きちんとした買取店に持ち込めば、ダイヤモンドや貴金属以下の価値になることはありません。
また、この三社は時代や流行に左右されない、本当に質の良いジュエリーのみを製造してきました。
そのため、人気や需要に大きくは流されない安定した価値があります。
もちろんこれは品質の価値を知り、併せてブランドの価値を知っている買取店に出した場合の話。
どちらか一方だけに長けているだけでは、世界三大カッターズブランドを適正価格で査定しているとは言えません。
当店GREEBERでは、ダイヤモンドや貴金属に加えて、ブランドジュエリーの価値をきちんと把握し、評価する姿勢を大切にしております。
ブライダルリングでもその他のジュエリーでも、買取に悩んだらぜひ一度ご相談くださいませ。
まとめ
世界三大ダイヤモンドカッターズブランドである、ロイヤルアッシャー、ラザール・ダイヤモンド、モニッケンダムをご紹介いたしました。
いずれも熟練した自社のカッターたちが、こだわりのカットをダイヤモンドに施し、最高峰の輝きを獲得させています。
実際の市場価値や買取価格で、他社とは一線を画すのも納得ですね。
ただ、買取査定は、お持ちのジュエリーの種類によって異なってきます。
相場を知るためにも、信頼できるいくつかの買取店を探し、お持ち込みになってみるのをおすすめします。
当店GREEBERでは店頭へのお持ち込みはもちろんのこと、LINE査定や宅配買取も行っておりますのでお気軽にご利用ください!